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税金ガイド

不動産を取得したときの税金 不動産を持っているときの税金 不動産を貸しているときの税金 不動産を売ったときの税金

■ 不動産を売ったときの税金

 「住宅の取得は一生に一度の大仕事」とはひと昔前のはなし。最近では、一度どころか二度三度と買換え、よりグレードの高い住宅へ住替えるという人が増えています。そのときに問題となるのが、不動産を売ったときの税金です。
  不動産は価額が高いですから、これを売ったときの税金も負担が大変です。しかし、特例制度もいろいろとありますので、その制度をうまく利用することをおすすめします。
  さて、不動産を売ったときの税金ですが、誰がどの程度保有していた不動産を売ったかによって税金の種類や課税内容が違います。ここではその分類をしておきましょう。

個人(サラリーマン等一般の人)が土地・建物を売った場合 ・譲渡所得に対する所得税および住民税
(長期保有のものの売却益にあっては軽課、短期保有のものの売却益にあっては重課されます)
個人の不動産業者(会社組織でないもの)が商品である土地を売った場合 ・事業所得に対する所得税及び住民税
(短期保有土地の売却益にあっては、短期所有土地譲渡益重課制度が設けられていますが、平成20年12月31日までの間、その重課の適用が停止され、通常の事業所得と同様に総合課税により課税されます。)
法人(有限会社、株式会社等で不動産会社に限らない)が土地を売った場合 ・法人税及び住民税
(長期保有土地の売却益にあっては一般重課制度が、また短期保有土地の売却益にあっては短期所有土地譲渡益重課制度がそれぞれ設けられていますが、平成20年12月31日までの間、その特別課税による重課の適用が停止され、通常の法人税や住民税だけが課税されます。)


なお、これらの税金については、居住用財産を譲渡した場合や買換えた場合、優良住宅地の造成等のために土地を譲渡した場合など一定の場合には、特例が認められています。
以上のほかにも、次のような税金が関係してきます。

・不動産を売るときには売却契約書を取り交わしますが、契約書には印紙を貼らなければなりませんので印紙税がかかります。

・抵当権の抹消登記をして不動産を売る場合には登録免許税(不動産1個につき1,000円)を納めなければなりません。

・不動産業者の仲介により不動産を売る場合の仲介手数料、登記を要するときの司法書士に支払う登記手数料が消費税の課税対象となります。

土地や建物を売った場合の譲渡所得の税金計算のしくみ

譲渡所得の計算のあらまし
 個人が、土地や建物を売却し、利益 (譲渡益) が生じた場合には、その利益に対して、所得税と住民税がかかります。
 この課税対象となる利益のことを、税法上「譲渡所得 (金額) 」と呼んでいます。
 「土地建物を売った場合の税金」は、まずこの「譲渡所得 (金額) 」を正確に計算することから始めます。そして売却した土地建物の所有期間の区分 (5年超か5年以下か) に応じた税額計算の方法によって、実際に納める税額を計算することになります。
(注) 土地:借地権を含めて「土地」と記述しています。土地の譲渡の特例のある場合は、借地権を譲渡した場合も適用されます。

第一段階:
譲渡所得 (金額) 」を計算する
第二段階:
売却した土地建物の所有期間が
5年超か
5年以下か
 以下、「譲渡所得 (金額) 」の計算方法と納税額の算出方法について、順を追って説明していきます。

「課税譲渡所得金額」はどのように計算するのか?
 「譲渡所得金額」は、譲渡による収入金額 (譲渡価額) から、その不動産を取得した時の価額や取得に要した費用 (これらを取得費をいいます。) 、および譲渡に要した費用 (譲渡費用といいます。) を差し引いて計算されます。この「譲渡所得金額」から、さらに特別控除の適用がある場合にはその特別控除額を控除して求めたものが、税額計算の基礎とされる「課税譲渡所得金額」といわれるものです。
 取得費あるいは譲渡費用として差し引けるものについては、下記を参考にしてください。

●課税譲渡所得金額の計算式
 課税譲渡所得金額 = 譲渡価格 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除
取得費 譲渡費用 特別控除
売却した土地や建物の購入価額 (建物は減価償却後) /購入の際の仲介手数料/購入の際に支払った立ち退き料・移転料/売買契約書に貼付した印紙税/登録免許税や登録手数料/不動産取得税/搬入費や据付費/建物等の取壊し費用などがあります。購入時の契約書、領収証によって確認します。
 実際の取得費が不明の場合は、譲渡価額の5%となります。
土地や建物を売却するために要した費用で、売却の際の仲介手数料/売却に伴う広告費や測量費/売買契約書に貼付した印紙税/売却に伴い支払う立ち退き料/建物等の取り壊し費用などがあります。 これは、国の政策的な配慮によって設けられているもので、居住用財産を売った場合の3,000万円の特別控除、特定住宅地造成事業等のために土地等を売った場合の1,500万円の特別控除などがあります。

長期・短期の区分
 前述の算式によって課税譲渡所得金額を求めたら、次に譲渡した土地建物の所有期間の区分 (5年超か5年以下か) に応じた税額計算の方法によって税額を計算することになります。
 そこで、まず、譲渡した土地建物の所有期間を区分する必要があります。
 具体的には、土地建物の譲渡した年の1月1日において、所有期間が5年を超える場合を長期譲渡所得、5年以下の場合を短期譲渡所得として区分されています。
    譲渡した年の1月1日における所有期間が
          ・5年を超える場合・・・長期譲渡所得
          ・5年以下の場合・・・短期譲渡所得
 なお、ここで注意して欲しいのは、所有期間5年というのは、その年や建物を購入した日から売った日までの期間で計算するのでありません。譲渡した日の属する年の1月1日現在で判定すると言うことです。平成19年中の譲渡ですと、平成19年1月1日において判定しますので、平成13年12月31日以前に取得したものが長期譲渡所得、平成14年1月1日以後に取得したものは短期譲渡所得ということになります。

《取得の日と譲渡の日》
 上記によって、長期譲渡所得と短期譲渡所得とを区別するわけですが、そうした場合に、取得した日とか譲渡した日というのはどういった基準で判定するかが問題となってきます。 取得の日は、原則として、次の基準とされます。
  イ.購入の場合→引渡の日(売買契約の効力発生の日によることもできます)
  ロ.自己建設した場合→建設の完了の日
  ハ.他に請負わせた場合→引渡の日
  なお、贈与とか相続による取得は、取得時期を引き継ぐこととされています。
  また、譲渡の日は、原則として、土地、建物等を買主に引き渡した日ですが、売買契約の効力発生の日によることもできます。

長期譲渡所得の税金の計算
 長期譲渡所得(所有期間5年超)にかかる税金は、課税長期譲渡所得金額に、一律20%(所得税15%・住民税5%)の税率を乗じて計算されます。

課税長期譲渡所得金額×20%(所得税15%・住民税5%)=所得税額および住民税額

短期譲渡所得の税金の計算
 短期譲渡所得(所有期間5年以下)にかかる税金は、課税長期譲渡所得金額に39%(所得税30%・住民税9%)の税率を乗じて計算されます。

課税短期譲渡所得金額×39%(所得税30%・住民税9%)=所得税額および住民税額

  なお、国等に対する譲渡の場合には税率が20%(所得税15% 住民税5%)となります。

 千葉県市川市に住まいを持つ小林義明さんは、平成19年8月に東京都江東区の土地・建物を9,200万円で売却しました。
譲渡費用は300万円、購入時の取得費(建物については償却した後)は1,800万円でした。購入が平成13年11月の場合(長期譲渡所得)と平成14年8月の場合(短期譲渡所得)とで所得税及び住民税額は-

長期譲渡所得の場合
短期譲渡所得の場合
(1)課税長期譲渡所得金額
  9,200万円-1,800万円-300万円
  =7,100万円
(2)譲渡所得に係る所得税額
  7,100万円×15%=1,065万円
(3)譲渡所得に係る住民税額
  7,100万円×5%=355万円
(1)課税短期譲渡所得金額
  9,200万円-1,800万円-300万円
  =7,100万円
(2)譲渡所得に係る所得税額
  7,100万円×30%=2,130万円
(3)譲渡所得に係る住民税額
  7,100万円×9%=639万円

 この例題でおわかりいただけたように、長期と短期ではその税負担がずいぶん違います。ここでは「短期はソンキ」と覚えておいて下さい。

譲渡損失が生じたケース
 ここまではいずれも土地や住宅を売って利益(譲渡益)がでたときのお話ですが、必ずしも買ったときよりも高く売れるとは限りません。赤字(これを譲渡損出といいます)がでるケースもあるかと思います。こんなときは平成15年まで確定申告をすることにより譲渡損失と給与所得等の他の所得とが通算(これを損益通算といいます)されて税金が戻ってくる場合がありましたが、平成16年1月1日以後の譲渡から、その他の所得との通算及び青色申告者に認められていた3年間の繰越控除(居住用財産の譲渡を除く)が適用されなくなりました。ただし、一定の要件を満たす居住用財産の譲渡損失については他の所得との通産及び3年間の繰越控除の適用を受けることができる場合があります。

譲渡所得の申告手続
<1>税務署への手続
  譲渡所得がある場合には、翌年の3月15日までに所轄の税務署に申告し、税金を納めることになります。この場合の申告書は所得税の確定申告書B(第一表・第二表)と及び第三表(分離課税用)いうものを用います。
  そのほか、税務署へは課税譲渡所得を計算するための「譲渡のおたずね譲渡所得の計算明細書」、特例の適用を受けるときには特例ごとに定められた書類等を提出することになっています。
<2>市区町村役所への手続き
  税務署へ申告した場合には値その申告内容がすべて市区町村役所へ回りますので、手続きは不要です。譲渡所得分の税金については、、譲渡した翌年の6月までに他の所得の税金とあわせて納税通知書が市区町村役所からきますので、確認の上、銀行または郵便局で納付することになります。


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